ネガ×ポジどっち日記

オーストラリアでへこんでは引きこもり、また這い上がる、そんな毎日。

老眼鏡はまだいらない?/手の中の本棚・電子書籍リーダー

日本語を遠ざけた日々もありました。

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オーストラリアへ来た当初は英語に慣れるのに必死だったので、むしろ日本語とは距離を置こう、となりまして。

英語で会話して、英語でメールを書いて、英語の歌を口ずさむ。

そうして数年が過ぎ、眠りに就いて英語と日本語が入り混じる夢を見るようになる頃、もう日常生活に支障はないだろうと自己判断。

もしかしたらそれは、英語の勉強をしたくないがための言い訳かもしれないけど。言語習得に秀でていない脳を持ってるから、アタシ。

とにかく、アタシのなんちゃって英語でも生きていけるのよ、とまあ、開き直ったのであります。

そこからは日本語への飢餓感が一気に増し、特に活字を欲するようになりました。

 

そういやアタシ、本好きだったわ。

小学校時代は図書館に入り浸っていたし、成長してからも常に文庫本が通勤・通学のおとも。

本、読みたい。けれどここでは手に入れるのが難しい。

たまに、メルボルンにいる日本人向けのウェブサイトで、要らなくなった本を売りに出しているのを見かけます。でも、自分が読みたいものが見当たらない。

一時帰国した時にだけ、飢えを満たすように本を読みあさること数年。

ついに時代はアタシに味方したのです。

―そう、電子書籍の大到来。

   

まずは楽天koboのデスクトップアプリで電子書籍デビュー。

スマホのアプリなどで、日本向けのものがこちらでダウンロードできないことがよくあるのですが、楽天koboのデスクトップアプリは問題なくできました。それが約二年前。

すぐに電子書籍リーダーを購入するのしなかったのは、日本で一度セッティングしないと海外で使えないとか、使えても冊数制限がある、という話がその頃ネット上に出回っていたから(主にkindleの話だったけれど)。

そこでアタシは考えたのです。アタシはちょいちょいオーストラリアから楽天市場にアクセスしてお買い物しているのだから、パソコンで楽天の電子書籍ストア使うのなら大丈夫じゃない?、と。いつのまにか楽天が英語のログインページを表示するなど、グローバル化していましたし。

その読みどおり、ダウンロードしたアプリを使って電子書籍を手に入れることに成功したアタシ、これで、一見落着、と思ったのですが…。

 

痛いじゃないの。

目が、痛い。

ある程度の時間、デスクトップで電子書籍を読んでいると目に力も入らなくなってきて、文字もかすんでくる。

これが魔のブルーライトの威力か。いや、待てよ、歳のせいってことは…あるかも。

せっかく読書を楽しめる環境を手に入れたと思ったのに。なんだかとっても残念な気持ちになりましたよ。

それでも二年くらいはパソコンを使って読書を試みました。まあ、はかどりませんがね。

それで現実を直視し、老眼鏡を購入せねばならんと知人にぼやいていたところ、言われました。

「パソコンで読むと疲れるよ。電子書籍リーダーにしたら?」

ん?パソコンが原因なのはわかってますよ、ブルーライトだもん。でも電子書籍リーダーなんてパソコンの画面よりちっちゃいからもっと疲れるじゃない。いやいや、そういうことじゃない?

電子ペーパーですって?疲れにくいんですって?

いろいろな技術が日々進歩しているのね。アタシ、もうついて行けない。

下調べが行き届いておりませんでしたね。

 

それ聞いたら、やっぱり電子書籍リーダーが欲しくなるじゃない。

ただ、オーストラリアでもちゃんと使えるのかな。海外で購入したリーダーで日本語読めるのかな、という不安がぬぐい切れず。

アタシが慎重になったのは、アカウントたちのせいでもあるんだな。

どういうことかというと、楽天アカウントと楽天koboアカウントは別、ってこと。

楽天koboアカウントはrakuten koboのブックストア用。ほとんどが英語の本で、一般の日本人が本を購入する用ではないです。英語の人用。これに対して、楽天アカウントは、日本人向け楽天kobo電子書籍ストア用。楽天市場利用時と同じアカウントです。

まずこれを理解するのに時間かかったわ。

で、楽天koboの電子書籍リーダーウェブサイト(rakuten kobo eReader Store)をチェックした時、そこには日本語対応している、ってあったけれど、楽天アカウントで使える、ということは書いてなかったんです。

だから、楽天アカウントで電子書籍リーダーを使えるのかどうか、明確にしたかったの。

そこで、それまでkoboリーダーが海外で使えない件などのトラブルをインターネットで調べていたのだけど、ここへ来て切り口を換えてリサーチすることに。

つまり、「楽天kobo電子書籍リーダーのセットアップ方法」で検索して、「楽天アカウント」でセットアップできる旨が記してあるかどうかを調べたのです。

アタシはすでにデスクトップアプリで(楽天アカウントを使って)海外からでも電子書籍を購入できていたから。日本語対応という情報も入手したし、あとは楽天koboアカウントでなく、楽天アカウントでのセットアップが可能ならリーダーからでも電子書籍をダウンロードできるはず、と推測した次第。

結論を述べると。可能ということでした。

―今となって思うのは、日本の会社なんだし、電子書籍リーダーまでその名で販売していて、楽天会員専用のブックストアがあって、明らかにメジャーなターゲットは日本語読める人だろうに、使えない、ということはないだろうよ…。気づけよアタシ、

考えすぎるの悪い癖。一歩踏み出すまでが時間かかるのね。

 

そうしてついに電子書籍リーダー、Kobo Aura Oneとご対面。

画面が大きいですね、7.8インチ。約19.8cm。縦の長さね。

セッティングはすさまじく簡単で、ものの5分で終了。

楽天アプリですでにダウンロードした本たちが、リーダーにもダウンロードされました。

これは、ひとつのアカウント持っておけば複数のデバイスで複数人で共有できるってことよね。一冊の本を回し読みできるんだわ。

 

どうせ必要になるカバーもセットで買うほうがいいですね。


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さて、肝心の目の具合はどうなんだろう。新刊を購入して試してみた次第。

思っていたより文字が大きく画面に映え、読みやすい。確かに疲れ具合はパソコンよりも少ない気はします。

ただ、一日の終わり、眠る前に使うと、すでに身体が疲れているために文字がすぐにぼやけてきます。昔はそんな現象起きなかったのに。

そう。パソコンよりは目にいい、という情報を信じて心に平穏を得られはしますが、目疲れは結局は歳のせい、ってこと。

老眼鏡を手にする日はそう遠くなさそうです。

 

トップ写真:写真素材ぱくたそ(www.pakutaso.com) /古書が並ぶ本棚(©:エリー)

それがないと困るんです/郷に入っても美意識は変えられない

お買い物はオーストラリア全土、どこへ行っても同じ。

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どの都市に行っても、それこそ小さな街に行っても、同じチェーンのスーパーマーケット、同じドラッグストア、アパレルショップがあって、同じ生活用品が手に入ります。

10年くらい前と比べると、便利な商品もお店も増え、クオリティも上がっている感はありますが、やはり日本の市場と比べると品数が少ないので、満足度は下がります。

ひとつ必要な物を探す時に、メーカーも商品も限られてくるのです。絶対的に少ない選択肢。

まあ、現代社会を生きていくには十分なレベルは揃っていると言えますが、アタシは日本生まれ日本育ち。巨大市場に囲まれて生きてきました。

だから、正直まだまだ、「日本なら」ってぶつぶつ言うことがよくあります。中には、見つからない物もあったりして、嘘でしょ、オーマイガー、って状態に陥ることも。

最初からジャングルへ来るつもりでやって来ていれば、諦めもつくのかもしれませんが、オーストラリアで大都市に入るメルボルンにいるわけだし。

また、それがいわゆる「便利グッズ」などではなく、アタシにとっては(そしておそらく多くの日本人にとっても}「必需品」がないのは困ってしまいます。

 

アタシがこちらに来て一番最初に、「あれ?ないぞ」と気づいた物。

それは女性の顔用の小さなカミソリなんです。

特にアタシは、眉毛を小さなカミソリでケアしないとまったくおかしな形なので、これがなきゃ、そりゃもう大変。

なのに、ない、ない!どこに行っても見つからない!

薬局のお姉さんに聞いてみると、

「こっちでは使わないわね。」

では、こちらのレディたちはお顔のケアをどうしてるのよ、と尋ねると、

「たぶん、ワックスを使ってるんじゃないかしら。」

かしら、って。お姉さんの答え方だと、彼女自身は顔のムダ毛処理をしないようですけど…。

 

こういうのが、ない。


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確かにこの国の女性を見ていると、美意識は低い気がします。

ファッションもみんなめちゃくちゃな色使いで、ばらばらだし、お化粧せずに派手なワンピースを着ていたり、お化粧をしてたらしてたでベターッと塗りつけて顔だけ浮いていたり。ドレスを着ているのに歩き方ががさつとか、がさつなアタシが気になるくらいね。

夏になれば、腕はもちろん、あまつさえ腋のムダ毛が生えているレディーたちをお見かけするので、顔のムダ毛くらい気にしない人が大多数なんでしょう。日本人みたいに毛が黒くなければ特にね。

 

情報があまりないからかな、とも思います。

こちらには、ティーン向けのファッション雑誌みたいなものがない。芸能界も狭すぎて、テレビがファッショントレンドを作ることもない。セレブのゴシップ誌か、広告が半分以上を占める高級ブランドファッション誌ならあります。

日本は情報がありすぎて、また、それによりファッションの流行などの画一化が置きやすいのでしょう。

それに比べれば、オーストラリアは個性的、ってことでいいのか。

 

とはいえ、アタシは顔のムダ毛はほっとけない。

とりあえずワックス、脱毛クリームみたいな物はあるらしい。でもまぶたの辺りとか、なんか目に悪そうなんだんだけど。

そう思って、しばらくは日本から持ってきたカミソリを使ったり、送ってもらったりしてたな。

で、ある日アジア系のお店に入ったら、そこで小さめのカミソリを見つけたのですよ。いや、嬉しかったな。でも、私がいつも使っていた使い捨ての物のように安全ガードがついておらす、ちょっと力や向きを誤ると、お肌を切っちゃう。

それでもないよりはましなので、と思っているうちに、お店はつぶれちゃいました。

なので、やはり日本へ帰国した時に買いだめしたりでしのいでいたんです。

 

そしてついに、ダイソーがやってきたのです。

大助かりとなりました。

実はダイソーがオーストラリアへ進出する以前でも、アタシが愛用していた眉用使い捨てカミソリをこちらの韓国コスメショップで見たことがあります。そうですよね、韓国のお嬢さん方は美意識高そうですもんね。

でも、めちゃめちゃな値段設定だったため、買う気にならなかったんです。

ダイソーは$2.80均一だったし、日本製だし、

ただですね、品質に当たりはずれがありまして、なんだこれ、切れない!っていうカミソリを売っている時期もあるので、まだまだアタシ、オーマイガーって叫ぶことも多いわ。

 

余談ですけど。

よく海外に行かれる女性は、生理用品を気にします。海外モノはごわごわしてるんじゃないか、大きすぎるんじゃないか、とか。でもそれに関してはオーストラリア、全く問題なく、日本の製品と比べても劣らぬ品質です。

 

届かないクリスマスプレゼント/「お客様は神様ではない」この国での対処法

日本からクリスマスプレゼントがなかなか届きませんでした。

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去年のクリスマスの少し前に、実家の母親が発送してくれたということで、年明けてから届くだろうと、楽しみにしていました。

けれども、1月半ばに差し掛かっても、音沙汰がなく、アタシは少々不安に。

今まで日本からの荷物が届かなかった経験はありません。けれど、ネットではちらほら国際郵便の紛失トラブルも見かけましたから、もしや、と。

 

SAL便で郵便局から発送とのこと。

SAL便は、船便よりは速くてEMSよりは遅い。日本からオーストラリアなら、およそ二週間で到着します。

コストは基本的に、船便より高くてEMSより安い(基本的に、というのは、送る物が軽くて容量があったりするとSAL便がEMSより高くなる時もあるので。)。

SALとはSurface Air Lifted の略らしい。ってよくわかんないので調べてみたら、surface は海路の。airは空の、とか飛行機の、lift には空輸って意味があるのね。ちなみに空輸するっていう他動詞はairlift。

SAL便は、飛行機に乗せられるまでは船便扱い。荷物が入る余裕があると、飛行機に放り込まれ、現地に着くとまた船便扱いだそう。

ということで、海と空の単語が入り混じってる意味がなんとなくわかったわ。

 

ホリデイシーズンだったから遅延は起こるだろう。

そう思っていたんですけどね。いつも10日くらいで到着するのが、四週間目に差し掛かろうとしていたので、これは、事故ったかな、と。

アタシの留守中に配達員が訪れた場合は、ポストに不在票が入っているはずなんですが、それもなくて。

ただですね、ここは誤配達も多いので、ひょっとしたらひょっとすると、ハガキを隣人のポストに入れちゃったのかも、ってことも考えました。

そうだとすると、保管期間切れる頃に、確かもう一回ハガキ入れてくれると思うんですよね。以前住んでた地域ではそうでしたから。差出人がうちの住所を書き間違えてない限り、投函場所を二回も間違わないだろう、って思うんです。

こう書くと、オーストラリアの郵便配達、けっこう親切でサービスしっかりしてるように聞こえるわ。誤配達は、人間がする限り起こりうるしね…。

ところが、そこはやっぱりオーストラリアでしてね。実は配達時に、インターホンを鳴らさずに不在票をポストに放り込んでいく人もいるんですよ。

一日家にいたのに、なぜか不在票が、ってことが一度や。二度ではない。

階段やエレベーターを使わなければならない、アパートメントで起こりやすいと思われるポストマンのこの行動。理由は明らかですね、はい。

なので、保管期間過ぎて届く二度目のハガキは、彼らが最小限の労働力で荷物を受取人に渡すための、彼らによる最低限のサービスです。

いや、むしろ国際郵便の返送手続きの方がめんどうくさいから、はよ取りに来いや、的なことでしょうか。

 

そんな風に、アタシは郵便局を微妙に信頼できないので。

自分で調べられることは調べて、最終的には郵便局に電話だ、と決心しました。

保管期間はだいたい二週間だったかしら。二回目のハガキが届くには微妙な時期だったのですが、アタシは一縷の望み、というか疑いを抱きつつ、実家に連絡をしました。

まず、母親が記入したうちの住所、合ってました。

そして。追跡番号を聞き出しました。ありました。長い番号が。

国際小包のSAL便は、個々の荷物に追跡番号があるようで(小型包装物のSAL便だと、オプションになってたと思います。)

インターネットで追跡番号を入力すると、うむ、やはり。

お正月にはすでに「到着」となっていました。しかも、オーストラリアには去年のうちに着いてる。

これでアタシの疑いはほぼ確信へと変わりました。

荷物は、すぐそこにあるのだ、と。最寄りの郵便局にね。

 

SAL便追跡記録を手に、いざ郵便局へ。

「日本からの荷物を去年から待ってて、追跡番号調べたら、オーストラリアにもうとっくに着いてるって。不在票入ってなかったんだけど,もしかして、ここにあるんじゃない?」

って追跡番号見せようとしたら、受取人のアタシの名前と住所だけ聞いて、

「探してみるわ。」

って、さっさと奥へ引っ込んだ。慣れてますね、その対応。

それから一分も絶たないうちに、小包を持って戻ってきたお姉さん。

「はい、ここにサインして。」

…説明なしかよ、謝罪なしかよ、とはもはや無駄な思考なので、考えないアタシ。

笑顔で「ラッキー。ここにあってよかったわ、ありがとね。」ってその場を去りました。

 

クレーマーになってもいい状況だけど、ならなかった。

昔はね、いちいち腹立てて文句を言ってましたがね。言ってもね、暖簾に腕押しなのですよ。

たぶん、「アイドンノー。」って言われるんです。

確かに、郵便局の内勤の人がミスしたわけじゃないだろうし。

日本なら郵便局の一員として、頭下げるのが常識ですけど。

結果的に荷物は無事に受取人のアタシの手に渡ったわけで、「ノープロブレム」。アタシが文句を言わなければ、みんなすっきり、誰もストレスを負わずハッピーなのであります。

謝罪は求めず、結果のみを受け入れる。

自分でも驚いたくらい、冷静でした。

 

もちろん、心の深いところには怒りはあったと思います。

でも、怒るのってすごくエネルギーを使います。ここでは相手にもされない、一言の謝罪というわずかな見返りさえないものに対して、一方通行にエネルギーを浪費する。それは、不毛な行為に他なりません。

本来、お客さんが正当なクレームを付けるなら、それは企業にとっては伸びるチャンスです。日本でなら、アタシはそう思います。

しかしながら、この国でそんな考えを本当に持っている企業はあるのでしょうか。アタシのオーストラリアに来てからの経験では、自分のミスに対して言い訳や正当化、責任転嫁をする人がほとんどでした。

かくして、すでにこの国のカスタマーサービスに辟易していたアタシは、目を瞑るというか、口を閉ざすというか、そんな思考に簡単に行き着くようになっていたんでしょうね。

心身の健康を守るため、アタシは今日も静かに微笑む道を選びます。