ネガ×ポジどっち日記

オーストラリアでへこんでは引きこもり、また這い上がる、そんな毎日。

届かないクリスマスプレゼント/「お客様は神様ではない」この国での対処法

日本からクリスマスプレゼントがなかなか届きませんでした。

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去年のクリスマスの少し前に、実家の母親が発送してくれたということで、年明けてから届くだろうと、楽しみにしていました。

けれども、1月半ばに差し掛かっても、音沙汰がなく、アタシは少々不安に。

今まで日本からの荷物が届かなかった経験はありません。けれど、ネットではちらほら国際郵便の紛失トラブルも見かけましたから、もしや、と。

 

SAL便で郵便局から発送とのこと。

SAL便は、船便よりは速くてEMSよりは遅い。日本からオーストラリアなら、およそ二週間で到着します。

コストは基本的に、船便より高くてEMSより安い(基本的に、というのは、送る物が軽くて容量があったりするとSAL便がEMSより高くなる時もあるので。)。

SALとはSurface Air Lifted の略らしい。ってよくわかんないので調べてみたら、surface は海路の。airは空の、とか飛行機の、lift には空輸って意味があるのね。ちなみに空輸するっていう他動詞はairlift。

SAL便は、飛行機に乗せられるまでは船便扱い。荷物が入る余裕があると、飛行機に放り込まれ、現地に着くとまた船便扱いだそう。

ということで、海と空の単語が入り混じってる意味がなんとなくわかったわ。

 

ホリデイシーズンだったから遅延は起こるだろう。

そう思っていたんですけどね。いつも10日くらいで到着するのが、四週間目に差し掛かろうとしていたので、これは、事故ったかな、と。

アタシの留守中に配達員が訪れた場合は、ポストに不在票が入っているはずなんですが、それもなくて。

ただですね、ここは誤配達も多いので、ひょっとしたらひょっとすると、ハガキを隣人のポストに入れちゃったのかも、ってことも考えました。

そうだとすると、保管期間切れる頃に、確かもう一回ハガキ入れてくれると思うんですよね。以前住んでた地域ではそうでしたから。差出人がうちの住所を書き間違えてない限り、投函場所を二回も間違わないだろう、って思うんです。

こう書くと、オーストラリアの郵便配達、けっこう親切でサービスしっかりしてるように聞こえるわ。誤配達は、人間がする限り起こりうるしね…。

ところが、そこはやっぱりオーストラリアでしてね。実は配達時に、インターホンを鳴らさずに不在票をポストに放り込んでいく人もいるんですよ。

一日家にいたのに、なぜか不在票が、ってことが一度や。二度ではない。

階段やエレベーターを使わなければならない、アパートメントで起こりやすいと思われるポストマンのこの行動。理由は明らかですね、はい。

なので、保管期間過ぎて届く二度目のハガキは、彼らが最小限の労働力で荷物を受取人に渡すための、彼らによる最低限のサービスです。

いや、むしろ国際郵便の返送手続きの方がめんどうくさいから、はよ取りに来いや、的なことでしょうか。

 

そんな風に、アタシは郵便局を微妙に信頼できないので。

自分で調べられることは調べて、最終的には郵便局に電話だ、と決心しました。

保管期間はだいたい二週間だったかしら。二回目のハガキが届くには微妙な時期だったのですが、アタシは一縷の望み、というか疑いを抱きつつ、実家に連絡をしました。

まず、母親が記入したうちの住所、合ってました。

そして。追跡番号を聞き出しました。ありました。長い番号が。

国際小包のSAL便は、個々の荷物に追跡番号があるようで(小型包装物のSAL便だと、オプションになってたと思います。)

インターネットで追跡番号を入力すると、うむ、やはり。

お正月にはすでに「到着」となっていました。しかも、オーストラリアには去年のうちに着いてる。

これでアタシの疑いはほぼ確信へと変わりました。

荷物は、すぐそこにあるのだ、と。最寄りの郵便局にね。

 

SAL便追跡記録を手に、いざ郵便局へ。

「日本からの荷物を去年から待ってて、追跡番号調べたら、オーストラリアにもうとっくに着いてるって。不在票入ってなかったんだけど,もしかして、ここにあるんじゃない?」

って追跡番号見せようとしたら、受取人のアタシの名前と住所だけ聞いて、

「探してみるわ。」

って、さっさと奥へ引っ込んだ。慣れてますね、その対応。

それから一分も絶たないうちに、小包を持って戻ってきたお姉さん。

「はい、ここにサインして。」

…説明なしかよ、謝罪なしかよ、とはもはや無駄な思考なので、考えないアタシ。

笑顔で「ラッキー。ここにあってよかったわ、ありがとね。」ってその場を去りました。

 

クレーマーになってもいい状況だけど、ならなかった。

昔はね、いちいち腹立てて文句を言ってましたがね。言ってもね、暖簾に腕押しなのですよ。

たぶん、「アイドンノー。」って言われるんです。

確かに、郵便局の内勤の人がミスしたわけじゃないだろうし。

日本なら郵便局の一員として、頭下げるのが常識ですけど。

結果的に荷物は無事に受取人のアタシの手に渡ったわけで、「ノープロブレム」。アタシが文句を言わなければ、みんなすっきり、誰もストレスを負わずハッピーなのであります。

謝罪は求めず、結果のみを受け入れる。

自分でも驚いたくらい、冷静でした。

 

もちろん、心の深いところには怒りはあったと思います。

でも、怒るのってすごくエネルギーを使います。ここでは相手にもされない、一言の謝罪というわずかな見返りさえないものに対して、一方通行にエネルギーを浪費する。それは、不毛な行為に他なりません。

本来、お客さんが正当なクレームを付けるなら、それは企業にとっては伸びるチャンスです。日本でなら、アタシはそう思います。

しかしながら、この国でそんな考えを本当に持っている企業はあるのでしょうか。アタシのオーストラリアに来てからの経験では、自分のミスに対して言い訳や正当化、責任転嫁をする人がほとんどでした。

かくして、すでにこの国のカスタマーサービスに辟易していたアタシは、目を瞑るというか、口を閉ざすというか、そんな思考に簡単に行き着くようになっていたんでしょうね。

心身の健康を守るため、アタシは今日も静かに微笑む道を選びます。